中学受験の国語では、「読解力」が点数に大きく影響します。
・文章は最後まで読んでいるのに、設問になると答えが見つからない
・説明文で大事なところが分からず、具体例ばかり追ってしまう
・物語文で気持ちは何となく分かるのに、なぜそう変化したのかを答えられない
・選択肢問題で本文に戻っているのに、最後はずれてしまう
・記述で本文に書いてあることをうまくまとめられない
このような状態が続くと、「読解力が足りないのではないか」と感じるご家庭は多いです。
ただし、読解力は単純に文章をたくさん読めば伸びるものではありません。中学受験の国語で必要なのは、本文の中で何が大事かをつかみ、設問に答えるために必要な情報を拾う力です。
そのため、読解力が伸びないときは、「読む力が弱い」でまとめるのではなく、どの段階でつまずいているのかを分けて考えることが重要です。
この記事では、中学受験の国語で読解力が伸びにくい主な原因と、家庭で意識したい対策の考え方を解説します。
読解力は中学受験国語の土台になる
中学受験の国語では、
・選択肢問題
・記述問題
・要旨を問う問題
・心情を問う問題
など、さまざまな形で本文理解が問われます。
どの形式でも共通して必要になるのが、文章の流れや要点を正確につかむ力です。
読解力が不十分な状態では、
・設問の答えになる部分に気づけない
・本文と少しずれた選択肢を選んでしまう
・記述で必要な内容を落としてしまう
・物語文で気持ちは追えても、その理由を本文から説明できない
といった形で失点が増えやすくなります。
逆に、本文の中で重要なところが見えるようになると、選択肢問題や記述問題の安定感も上がりやすくなります。つまり読解力は、国語全体の土台になる力です。
読解力が伸びにくい主な原因
読解力に課題がある場合でも、原因は一つではありません。ここを分けて見ないと、対策の方向がずれやすくなります。
説明文で結論より具体例を追ってしまう
説明文が苦手な子によく見られるのが、文章の中で大事な文と具体例の区別がついていない状態です。
たとえば、
・筆者の結論より具体例の方が印象に残る
・前半も後半も全部同じ重さで読んでしまう
・何について書かれている文章なのかは分かっても、結局何を言いたいのかがつかめない
・設問になると、どこが答えの中心になるのか見つけられない
といった形です。
このタイプは、文章を読んでいないわけではありません。むしろ真面目に全部読んでいます。ただ、どこを強く意識して読むべきかが分からないため、設問で必要な情報をうまく取り出せません。
説明文で「読んでいるのに答えが見つからない」子は、このパターンに当てはまることが多いです。
物語文で気持ちは追えても変化の理由を拾えていない
物語文では、登場人物の気持ちを何となくつかめていても、変化のきっかけを本文から押さえられていない子がいます。
たとえば、
・最初は嫌だったが最後は前向きになった、という流れは分かる
・ただ、どの出来事や言葉がその変化につながったのかが言えない
・気持ちを表す選択肢は選べても、理由を聞かれると急に弱くなる
・記述で「うれしかった」「悲しかった」は書けても、なぜそうなったのかが書けない
といった状態です。
このタイプは、雰囲気で読む力はある程度あります。しかし中学受験の国語では、「何となく分かる」だけでは足りません。気持ちがどう変わったかだけでなく、なぜそう変わったのかを本文の中から拾う必要があります。
物語文で点数が安定しない子は、気持ちそのものではなく、その変化の根拠の見方に課題があることが少なくありません。
指示語や接続語を軽く読んでしまう
中学受験の文章では、
・「これ」「それ」などの指示語
・「しかし」「だから」「つまり」などの接続語
が、内容理解の重要な手がかりになります。
ところが、読解が苦手な子はこうした言葉を軽く読んでしまうことがあります。
その結果、
・話の流れを取り違える
・対比や転換に気づけない
・筆者の主張がどこで強く出ているのかが見えない
・設問の根拠になる部分にうまく戻れない
といったことが起こりやすくなります。
特に説明文では、接続語の見落としがそのまま内容理解のずれにつながることがあります。また物語文でも、指示語を曖昧に読んでいると、誰が何をどう感じているのかがぼやけやすくなります。
設問になると本文のどこに戻るべきか分からない
読解力に不安がある子の中には、文章を読むことと設問に答えることがつながっていない子もいます。
たとえば、
・文章は読んでいるが、設問になると本文のどこに戻ればいいか分からない
・設問で何を聞かれているかは分かるが、本文の中のどの部分が根拠になるか見つけられない
・読み終わった段階で満足してしまい、設問のために読み直す意識が弱い
・戻ってはいるが、関係がありそうな一部分だけを見て判断してしまう
といった状態です。
このタイプは、読む力が全くないわけではありません。本文の流れをある程度追えていることもあります。ただ、設問とのつながりを意識した読み方になっていないため、得点に結びつきにくいです。
「文章は読めているはずなのに答えが取れない」という子は、このパターンを疑った方がよいです。
読む力の問題と答える力の問題が混ざっている
ここはかなり重要です。
読解力の問題に見えても、実際には
・設問の条件を取り違えている
・選択肢の比較で最後に外している
・記述でまとめ方がずれている
といった、答える段階の課題が原因になっていることもあります。
たとえば、
・本文の要点は言えているのに選択肢を外す
・内容理解はできているのに記述になると点が取れない
・説明文の話の流れは追えているのに、設問条件に合わない答えを書いてしまう
この場合は、「読解力が弱い」と決めつけると対策がずれます。
逆に言えば、本文理解そのものに課題がある子と、本文理解はある程度できているのに答える段階で落としている子とでは、家庭学習で見るべきポイントも変わります。
読解力を伸ばすには、読む段階の課題なのか、答える段階の課題なのかを分けて見ることが大切です。ここが曖昧だと、読解問題をいくら解いても改善しにくくなります。
読解力を伸ばすために家庭で意識したいこと
家庭学習では、特別な教材を増やすことよりも、読むときの視点を変えることの方が効果的な場合があります。
説明文では「一番言いたいこと」を確認する
説明文を読んだあとに、
・この文章で筆者が一番言いたいことは何か
・具体例ではなく、結論に近い部分はどこか
・前の段落と後ろの段落はどうつながっているか
を確認するだけでも、読み方はかなり変わります。
読解力が弱い子は、全部を同じ重さで読んでしまいがちです。だからこそ、家庭では「どこが中心か」を言葉にさせることに意味があります。
ただ問題を解いて終わるよりも、「この文章で大事なのはどこか」を一度確認する方が、説明文の読み方は育ちやすいです。
また、説明文型の子は、問題数を増やすより先に、「結論と具体例を分けて読めているか」を見る方が効果が出やすいことがあります。
物語文では「気持ち」より「なぜそうなったか」まで見る
物語文では、
・今どんな気持ちか
だけでなく、
・なぜそうなったのか
・どの出来事や言葉がそのきっかけになったのか
まで確認することが大切です。
気持ちを答えられる子は多いですが、変化の理由を本文から説明できる子はそこまで多くありません。中学受験ではここで差がつきやすいです。
家庭学習でも、「この子は今どんな気持ち?」で止めるのではなく、「それは何があったから?」まで聞けると、本文の見方がかなり変わります。
物語文型の子は、気持ちの言葉を覚えることより、「変化のきっかけが本文のどこにあるか」を見る方が点数につながりやすいです。
設問と本文を行き来するときの視点を持つ
読解力を点数につなげるには、
・設問で何を聞かれているかを確認する
・本文のどこが根拠になるか探す
・必要に応じて前後も含めて読み直す
という流れを習慣にすることが大切です。
文章を一度読んで終わりにするだけでは、設問に必要な情報をうまく使えないことがあります。
特に、
・どこに戻ればよいか分からない
・戻っているのに根拠を拾えない
という子は、本文に戻ること自体より、「何を探しに戻るのか」が曖昧になっています。家庭学習では、ただ「本文を見直そう」で終わらせず、「今回は何を根拠にする問題なのか」まで意識させることが大切です。
読書量だけで解決しようとしない
読解力という言葉から、
・本をたくさん読ませればよい
・文章に慣れれば自然と点が上がる
と考えることもあります。
もちろん読書が無意味というわけではありません。語彙や背景知識、文章への抵抗感の少なさにはつながることがあります。
ただ、中学受験の国語で必要なのは、
・設問に答えるための読み方
・本文根拠を意識する読み方
・重要な部分を見分ける読み方
です。
ここが身についていないと、読書量があっても得点に結びつかないことがあります。逆に、読書量がそこまで多くなくても、本文の見方が変わることで点数が安定する子もいます。
読解力はタイプごとに見た方が伸ばしやすい
読解力という言葉は広いですが、実際には子どもによって弱い場所が違います。
たとえば、
・説明文で結論と具体例の区別が弱い子
・物語文で気持ちの変化の根拠が弱い子
・設問になると本文のどこに戻るべきか分からない子
・内容理解はできているのに答える段階で落とす子
では、必要な対策が変わります。
説明文型の子に物語文の気持ちの読み方ばかりやらせてもズレますし、本文理解はできている子に読解問題の演習だけを増やしても伸びにくいです。
また、読む段階で止まっている子と、答える段階で止まっている子とでは、家庭学習で見るべき場所も違います。前者は本文の重要部分に目を向けることが先ですし、後者は設問条件や比較の精度を上げることが先になります。
ここを一つにまとめて「読解力不足」とすると、努力の方向がずれやすいです。逆に、どのタイプなのかが見えると、家庭学習で何を意識するべきかがかなりはっきりします。
読解力は少しずつ伸びていく力
読解力は、短期間で一気に変わることもありますが、多くの場合は
・大事な部分に目が向くようになる
・設問と本文のつながりが見えるようになる
・本文確認の精度が上がる
・雰囲気ではなく根拠で読む場面が増える
といった形で少しずつ伸びていきます。
そのため、すぐに大きな結果が出ない場合でも、
・どこを見て読んでいるか
・何を根拠に答えているか
・説明文と物語文でどこが弱いか
・読む段階と答える段階のどちらで落としているか
を見直していくことが大切です。
読解力は、量だけで押し切るより、読み方の視点が変わることで伸びやすい力です。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
・国語だけ成績が安定しない
・どこで失点しているのか分からない
・記述や選択肢問題を強化したい
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このような方はご相談ください。
まとめ
中学受験の国語では、読解力が点数の安定に大きく関係します。
・説明文で結論と具体例の区別がついているか
・物語文で気持ちの変化だけでなく、その理由を押さえられているか
・指示語や接続語に注目できているか
・設問になると本文のどこに戻るべきか見えているか
・読む力と答える力の課題を分けて見られているか
こうした点を意識することで、読解力は少しずつ得点につながる力へと変わっていきます。
読解力は、ただ文章を読む量を増やすだけでは伸びにくいことがあります。どこをどう読めていないのかを見ながら、読む視点を変えていくことが大切です。
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