中学受験の国語では、記述問題で思うように得点できない子は少なくありません。
・たくさん書いているのに点がもらえない
・逆に短くまとめすぎて内容が足りない
・模範解答を見ると納得できるが、自分の答案がどこでずれているのか分からない
・テストごとに記述の得点が安定しない
このような状態が続くと、「書く力が足りないのではないか」と感じるご家庭も多いです。
しかし実際には、記述問題で失点する原因は「文章を書く量」そのものではなく、設問で求められている内容と答案の方向がずれていることにある場合が多いです。
また、同じように記述が苦手でも、長く書きすぎる子と短く書きすぎる子では、弱い場所が違います。長い答案になる子は、必要なことと不要なことの区別が弱いことがあります。短い答案になる子は、必要な要素を落としてしまうことがあります。
この記事では、中学受験の国語で記述問題が長くなりすぎる子・短くなりすぎる子の特徴と、答案がずれやすくなる主な原因について解説します。
記述問題は書く量より内容の適切さが重要
記述問題では、「たくさん書けばよい」「短くまとめればよい」といった単純な基準では得点につながりません。
大切なのは、
・設問で聞かれていることに答えているか
・必要な要素がそろっているか
・不要な内容が入りすぎていないか
といった点です。
同じ文字数でも、設問の意図に合っている答案は得点しやすく、方向がずれている答案は評価されにくくなります。そのため、長さそのものよりも、答案の中身の精度が重要になります。
記述問題が長すぎる子の特徴
記述が長くなりすぎる子には、いくつか共通した傾向があります。
設問で聞かれていないことまで書いてしまう
長い答案を書く子の中には、
・自分なりに丁寧に説明しようとする
・本文の内容を広く盛り込もうとする
・不安から多めに書こうとする
といった意識が強い場合があります。
しかし記述問題では、設問の範囲を超えて内容を広げてしまうと、答案の焦点がぼやけやすくなります。結果として、必要な要素が埋もれてしまい、得点につながりにくくなることがあります。
特に多いのは、
・理由を聞かれているのに、出来事の説明まで長く書く
・気持ちを問われているのに、場面全体の説明を広げすぎる
・設問に関係する部分だけでなく、関係が薄い本文内容まで入れる
といった答案です。
このタイプは、書く意欲がないわけではありません。むしろ真面目に書こうとしていることが多いです。ただ、「何を書かないか」の判断が弱いため、答案が散りやすくなります。
本文の関係ある部分を全部入れようとする
本文中の表現を多く使おうとするあまり、
・関係しそうな情報をすべて入れようとする
・要点をしぼらずに文章をつなげてしまう
・大事な部分と補足的な部分を同じ重さで扱う
といった答案になることもあります。
この場合、部分的には正しい内容を書いていても、設問に対する答えとしてはまとまりに欠ける印象になりやすいです。
つまり、長い答案の弱さは「たくさん書くこと」ではなく、「必要なことと不要なことの区別が弱いこと」にあります。
不安で盛りすぎる
長すぎる答案を書く子の中には、
・短いと不正解になる気がする
・書けることは全部書いた方が安全だと思う
・少しでも点を拾いたくて情報を足し続ける
といった不安の強さが背景にある場合もあります。
ただ、記述問題は「書いた量」で評価されるわけではありません。必要なことが見えていないまま盛りすぎると、かえって答案の芯が見えにくくなります。
記述問題が短すぎる子の特徴
一方で、答案が短くなりすぎる子にも特徴があります。
結論だけで止まってしまう
短い答案を書く子は、
・答えらしきことを一言で終える
・理由や背景を書かない
・気持ちだけを書いて終わる
といった状態になりやすいです。
たとえば、
・うれしかったから
・反省したから
・大切だと思ったから
のように、方向は大きく外れていなくても、それだけでは得点になりにくいことがあります。
このタイプは、「何を答えるか」は見えていても、「どこまで書けば答えとして成立するか」が見えていないことが多いです。
必要な要素が不足している
短い答案は、内容そのものが足りていないことも多いです。
・複数の要素が必要な問題で一つしか書いていない
・変化の前後が必要なのに片方しか書いていない
・理由を問う問題で結果だけを書いている
といった答案です。
方向性としては大きく外れていなくても、情報が不足していると部分点が伸びにくくなります。
特に中学受験の記述は、
・理由と結果
・出来事と気持ち
・変化の前と後
の両方が必要になることも多いです。ここが片側だけだと、短くまとまっていても弱い答案になります。
設問の条件を十分に確認できていない
記述が短くなる原因として、
・理由を聞かれているのに結果だけ書く
・心情の変化を問われているのに変化の前後に触れていない
・字数条件を意識できていない
といった設問理解の弱さが関係していることもあります。
このタイプは、書く力そのものよりも、何を書くべきかの判断に課題がある場合が多いです。
つまり、短い答案の弱さは「書く量が少ないこと」ではなく、「必要な内容が見えていないこと」にあります。
答案がずれやすくなる共通の原因
記述の長短に関係なく、答案が設問からずれてしまう子にはいくつか共通点があります。
設問の意図を十分にとらえられていない
記述問題では、
・何について答える問題なのか
・どの観点から説明する必要があるのか
・理由を書くのか、内容をまとめるのか
を正確に理解することが重要です。
ここがあいまいなまま書き始めると、
・方向がずれたまま書き進めてしまう
・書き直しても本質的な改善にならない
といったことが起こりやすくなります。
長すぎる子は、設問の範囲を超えて広げやすいですし、短すぎる子は、設問で必要な内容を落としやすいです。どちらも、出発点である設問理解が弱いと起こりやすいです。
本文の根拠を十分に取捨選択できていない
記述問題では、本文の内容をもとに答えを構成する必要があります。
しかし、
・関係する情報をうまく選べていない
・どの要素が中心になるか分かっていない
・関係ある部分を全部入れるか、逆に一部しか拾えていない
と、長すぎる答案や短すぎる答案になりやすくなります。
記述の精度は、書く段階よりも読む段階の理解度に左右されることも多いです。
記述問題で意識したい基本的な考え方
記述問題に取り組む際は、次のような点を意識すると答案の安定感が高まりやすくなります。
何を書くかより先に、何を書かないかも考える
長くなりすぎる子には、ここがかなり大事です。
記述では、
・この問題に必要な内容は何か
・逆に入れなくてよい内容は何か
を考えてから書き始めることで、答案の焦点がぶれにくくなります。
書けることを全部入れるのではなく、設問に必要な部分だけを残すことが大切です。
足りない子は「何が抜けているか」を見る
短くなりすぎる子には、
・理由が抜けていないか
・変化の前後が入っているか
・複数要素問題で一つだけになっていないか
を確認することが重要です。
短い答案は、言い換えると「何かが抜けている答案」であることが多いです。字数そのものより、抜けている要素を見た方が改善しやすいです。
記述は長さではなく「過不足」で見る
結局のところ、記述問題は
・長いか短いか
ではなく、
・必要なことが過不足なく入っているか
で見た方がよいです。
長い答案でも余計なことが多ければ弱いですし、短い答案でも必要なことがそろっていれば点になることがあります。
この見方ができると、「たくさん書こう」「短くまとめよう」という発想から抜けやすくなります。
長すぎる子・短すぎる子はタイプごとに見た方がよい
同じように記述が苦手でも、崩れ方は同じではありません。
たとえば、長すぎる子でも
・不要なことまで書いてしまう子
・本文の関係部分を全部入れようとする子
・不安で盛りすぎる子
がいます。
短すぎる子でも
・結論だけで止まる子
・理由を書かない子
・複数要素問題を一つで終える子
がいます。
ここを一つにまとめて「記述が苦手」とすると、直す場所が見えにくくなります。どのタイプなのかが見えると、家庭学習で何を見直すべきかがかなりはっきりします。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
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このような方はご相談ください。
まとめ
中学受験の記述問題では、
・長く書きすぎて焦点がぼやける
・短くまとめすぎて要素が不足する
といった形で失点することがあります。
大切なのは、長いか短いかではなく、
・設問の意図を正確にとらえること
・本文の根拠を取捨選択すること
・必要な内容を過不足なくまとめること
です。
記述問題は、単に書く量を増やすだけでは改善しにくい分野です。長すぎるのか、短すぎるのか、その中でもどのタイプなのかを見ながら答案を見直すことで、少しずつ得点しやすくなります。
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