中学受験の国語では、記述問題で「書いているのに得点にならない」答案がよく見られます。
・内容はそれほど外れていないのにバツになる
・模範解答を見ると近いことは書いている
・本人は正しく書いたつもりでいる
・方向性は近そうなのに点数が低い
・記述の得点がテストごとに大きく変わる
このような場合、記述が苦手というより、設問で聞かれていることに答えられていない可能性があります。
記述問題では、本文理解だけでなく、設問の意図に沿って答案を作ることが重要です。ここが合っていないと、大きく外していない答案でも得点が伸びにくくなります。
この記事では、中学受験の国語で記述問題が設問から外れやすくなる主な原因と、求められていることと違う答案になりやすい子の特徴を解説します。
記述問題は本文理解だけでは点にならない
記述問題では、本文の内容を理解しているだけでは十分ではありません。
・理由を聞かれているのか
・内容説明を求められているのか
・気持ちの変化を答える問題なのか
・要点をまとめる問題なのか
設問によって、求められる答案の形は変わります。
本文の内容に触れていても、設問の意図に合っていない場合は、得点が伸びにくくなります。
中学受験の記述では、「本文の理解」と「設問への対応」の両方がそろって初めて点数につながります。
設問に答えていない答案になる主な原因
答案が合わなくなる理由は一つではありません。いくつかの典型的なパターンがあります。
理由問題なのに出来事の説明で終わっている
最も多いのは、理由を聞かれているのに状況説明を書いてしまうケースです。
たとえば、
・なぜそう思ったのかを聞かれているのに、その場面の出来事だけを書く
・結果は書いているが、その原因に触れていない
・本文の流れをなぞるだけの答案になる
このタイプは、本文理解はある程度できています。ただ、「理由を書く」という意識が弱いため、設問の要求に十分に応えられていません。
特に多いのは、
・「うれしかったのは、プレゼントをもらった場面だから」と場面の説明だけで終わる
・「反省したのは、先生に注意されたから」と原因の深まりがない
といった答案です。
気持ちを聞かれているのに行動を書いてしまう
物語文では、
・どのような気持ちか
・気持ちがどう変わったか
が問われることが多いです。
しかし、
・登場人物の行動を中心に書く
・出来事の説明で答案を作る
・気持ちの言葉が入っていない
といった形では、設問の意図から外れた答案になります。
気持ちを問う問題では、出来事はあくまで根拠です。答案の中心が気持ちになっていないと、得点が伸びにくくなります。
たとえば、
・「主人公は友達に手紙を渡した」と行動だけを書く
・「家を飛び出した」と書いて終わる
といった答案は、何を感じていたのかが見えません。
要点を聞かれているのに細部を書いてしまう
説明文では、
・筆者の主張
・段落の中心内容
・文章全体の要旨
などが問われることがあります。
このとき、
・具体例の内容ばかり書く
・細かい情報を並べる
・中心となる考えに触れていない
といった答案は合いにくいです。
文章の理解が浅いというより、「どのレベルの内容を求められているか」を取り違えている状態です。
たとえば、
・筆者の考えを聞かれているのに、具体例の内容を長く書く
・一つの段落の事実だけを書いて、全体の中心を書かない
といった答案です。
設問条件を答案に反映できていない
記述問題では、
・どの部分について答えるのか
・どの立場で書くのか
・変化の前後を含めるのか
といった条件が設問文の中に示されています。
しかし、
・条件の一部を見落としている
・設問の主語を意識していない
・聞かれている範囲より広く書いてしまう
といった答案は、方向性が近くても減点されやすくなります。
特に多いのは、
・変化後だけを書き、変化前を書かない
・登場人物Aの気持ちを問われているのにBの様子を書いてしまう
・「傍線部の理由」を聞かれているのに段落全体の話を書いてしまう
といったケースです。
設問から外れた答案になりやすい子の特徴
記述で合っていない答案が多い子には、いくつか共通する傾向があります。
本文理解と設問対応が分かれていない
文章を読むことと、設問に答えることを別々に考えていない子は少なくありません。
・本文は読めている
・話の流れも分かっている
それでも設問になると、
・どこに注目して答えるべきか分からない
・聞かれている観点をはっきりさせられない
という状態になりやすいです。
このタイプは、「読めているのに点にならない」と感じやすいです。
書きやすい内容から書いてしまう
記述問題では、
・印象に残った場面
・分かりやすい出来事
・自分が説明しやすい部分
から書き始める子がいます。
しかし、それが設問の中心とは限りません。
設問に沿って内容を選ぶ意識が弱いと、答案が自然に別方向へ向かってしまいます。
たとえば、
・気持ちを聞かれているのに場面説明から書き始める
・理由問題なのに、書きやすい結果から書く
といった形です。
書く前に答案の方向を決めていない
記述が安定しない子は、
・何を書く問題かを十分に確認しない
・答案の骨格を考えないまま書き始める
といった傾向があります。
その結果、
・途中で話が変わる
・必要な情報が抜ける
・聞かれていない内容が入る
といった答案になりやすくなります。
記述問題で点を取るために見たいポイント
記述対策では、
・本文を正しく読むこと
・必要な要素を拾うこと
に加えて、
・設問の意図と答案が一致しているか
を確認することが重要です。
たとえば、
・理由を書けているか
・気持ちが中心になっているか
・要点レベルでまとめられているか
・設問の範囲に収まっているか
・主語や視点が合っているか
といった視点で答案を見ると、原因が見えやすくなります。
記述問題は、本文理解だけでなく「設問に合わせて表現する力」がつくことで、得点が安定しやすくなります。
記述は「近いことを書く」では足りない
記述問題でよくあるのは、「近いことは書いているのに点が入らない」という状態です。
ただ、中学受験の記述は、
・近い内容
ではなく
・聞かれていることに対する答え
が必要です。
そのため、
・内容が近い
・本文には触れている
・完全な見当違いではない
という答案でも、設問と合っていなければ点が伸びません。
ここが分かると、復習の見方も変わります。
・何を書いたか
だけでなく、
・何を聞かれていたか
を並べて見た方が、改善しやすくなります。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
・国語だけ成績が安定しない
・どこで失点しているのか分からない
・記述や選択肢問題を強化したい
・国語を得意科目として伸ばしたい
このような方はご相談ください。
まとめ
中学受験の記述問題では、本文の内容に触れていても、設問に答えていないことで得点が伸びにくいことがあります。
・理由を聞かれているのに出来事中心に書く
・気持ちを問われているのに行動を書いてしまう
・要点問題で細部を書いてしまう
・設問条件を答案に反映できていない
こうした状態があると、方向性は近くても部分点で止まりやすくなります。
記述対策では、何を書いたかだけでなく、「設問で何を聞かれていたのか」に答案が合っているかを確認することが大切です。
中学受験国語についての記事すべてを見たい方は、以下のページをご覧ください。
悩み別・テーマ別に記事をまとめています。
中学受験国語の記事一覧を見る
