中学受験国語でよくあるのが、「理由は書いているつもりなのに、なぜか外す」という状態です。
本文の内容はある程度分かっています。
該当しそうな部分も見つけています。
本文の言葉も使って答案を書いています。
それなのに、理由問題では惜しく外します。
大外しではないのに点が伸びない。
模範解答を見ると何となく違うのは分かるが、どこがずれていたのかははっきりしない。
こうした状態は珍しくありません。
このタイプの子に多いのが、理由と具体例の違いがはっきり分かっていない状態です。
説明文では、
・筆者の考えを支える理由
・その理由を分かりやすくする具体例
がセットで書かれていることがよくあります。
ここを区別せずに読むと、
・理由ではなく場面説明を書いてしまう
・本文に沿っているのに答案として弱くなる
・それっぽいが中心を外した答案になる
といった失点が起きやすくなります。
しかもこの失点は、かなり見抜きにくいです。全く読めていないわけではないため、本人も保護者も「あと少し」に見えやすいからです。そのため、原因が見えないまま問題数だけ増やしてしまうことも少なくありません。
この記事では、中学受験国語の理由問題で外す子に多い「理由と具体例の混同」について、よくある失点の型と原因、点数につなげるための考え方を解説します。
理由問題で外す子は本文の内容は追えていることが多い
理由と具体例の違いが分かっていない子は、本文を全く理解していないわけではありません。
たとえば、
・該当しそうな部分は見つけられる
・本文の内容をある程度説明できる
・本文の言葉を使って答案を書ける
このくらいはできていることが多いです。ただ、答案になるとずれます。
よくあるのは、
・「何があったか」を中心に書く
・場面の説明を詳しく書く
・理由の中心となる一文を落とす
・関係ありそうな説明を広く入れすぎる
という形です。
つまり、本文内容の理解はあります。しかし、「なぜそうなるのか」という理由の核を押さえられていません。理由問題では、出来事そのものを書くのではなく、その出来事から言える理由を書く必要があります。
理由ではなく場面説明を書いてしまう答案はかなり多い
理由と具体例の違いが分からない子の答案には、かなり共通点があります。
たとえば、
・出来事の流れを説明して終わる
・その場面の様子を詳しく書く
・理由ではなく前に起きたことだけを書く
・本文に出てきた例を少しずつ入れて中心が見えなくなる
といった形です。
本人としては本文に沿って書いているつもりですし、実際、大きく外れてはいません。
しかし、
・なぜそう言えるのか
・何が判断の根拠なのか
・何がその考えを支えているのか
が出ていない答案は、理由問題としては弱いです。
たとえば、筆者が「AだからBだ」とまとめているのに、Aを説明するための具体例だけを書いて終わる子がいます。また、「なぜ主人公はそう感じたのですか」という問いに対して、その前の出来事を詳しく書くものの、気持ちの変化につながる理由を一文で押さえられていない子もいます。
こういう答案は、全く違うことを書いているわけではありません。ただ、「理由」を書くべきところで「場面」や「材料」を書いているため、点が伸びません。
本文の言葉を使っていても外すのは答えの高さがずれているから
理由問題で惜しく外す子は、本文の言葉を使っています。
そのため、
・本文に沿っているように見える
・説明としては自然に読める
・的外れには見えない
という答案になりやすいです。
それでも外すのは、答えとして求められている高さまで上がれていないからです。
具体的には、
・理由として必要な一段上のまとめを書けていない
・具体例のレベルで止まっている
・本文の一部を写しているが中心に届いていない
ということが起きています。
たとえば、筆者が「人は自分の経験だけで判断しやすいから」と理由をまとめているのに、答案では「友人がこういう経験をしたから」と具体例の話を書いてしまう子がいます。この場合、本文の内容は理解しています。しかし、具体例から一段上の理由に上がれていません。
理由問題では、本文の言葉を使うこと自体より、どのレベルの言葉を答えとして残すかの方が重要です。
理由を広く取りすぎる子は中心がぼやけやすい
理由問題で外す子に多いのが、理由の範囲を広く取りすぎることです。
たとえば、
・該当段落の内容をほぼ全部書こうとする
・関係ありそうな説明をいくつも入れる
・字数いっぱいまで情報を詰め込む
・結論に直接つながらない説明まで残す
といった答案になりやすいです。
本人としては丁寧に書いているつもりです。
しかしその結果、
・理由の核が見えにくくなる
・中心ではない情報に字数を使ってしまう
・何が一番大事なのか分からない答案になる
ということが起きます。
理由問題では、多く書くことよりも、何が理由の中心なのかをはっきりさせることが大切です。
必要な理由を短く押さえる力が弱いと、
・部分点はつく
・でも満点にならない
・模範解答との差が分かりにくい
という状態になりやすくなります。
理由の核となる一文を拾えない子は惜しい答案が多い
理由と具体例の違いが分からない子は、理由の核となる一文を見つけるのが苦手です。
そのため、
・該当箇所は見つけているのに答案がずれる
・理由の前提や補足を書いてしまう
・筆者のまとめの一文を落としてしまう
・中心より分かりやすい説明を残してしまう
という失点が起きます。
説明文では、理由が何文かにわたって説明されることもありますが、中心は一文に集約されていることも多いです。この一文を押さえられるかどうかで、答案の質は大きく変わります。
逆にここが見えていないと、
・本文の内容を並べるだけになる
・説明はできているのに理由として弱い
・模範解答との差が分からない
という状態になります。
理由問題では、どこが補足で、どこが理由の中心なのかを見分ける力が重要です。
結論ではなく材料に字数を使うと点が伸びにくい
理由と具体例の違いが分からない子は、字数の使い方にも特徴があります。
たとえば、
・結論となる一文は短くしか書かない
・その前の具体的な説明に字数を使いすぎる
・中心より補足に比重が偏る
・必要な理由を短く言えず、周辺説明で埋める
という形です。
このタイプの子は、書いている量のわりに点が伸びません。なぜかというと、設問が求めている「理由」ではなく、その周辺の説明に字数を使っているからです。
たとえば、「なぜ筆者はそう考えるのですか」という問いに対して、背景にあるエピソードや事例を長く書く一方で、「だから何が理由なのか」が短かったり抜けたりします。すると、読んだ側は内容は分かります。しかし、理由問題の答えとしては弱くなります。
理由問題では、たくさん書けることより、理由の中心にしっかり字数を使えることの方が大事です。
家庭学習ではこのずれがかなり見抜きにくい
理由と具体例の区別が弱い状態は、家庭学習ではかなり見抜きにくいです。理由は、答案がある程度本文に沿って見えるからです。
実際、
・本文の言葉を使って書けている
・説明としては自然に読める
・完全に的外れではない
・空欄も埋まっている
という答案は多いです。
そのため、「惜しい」「あと少しでできそう」「もう一回やれば合いそう」と感じやすくなります。
しかし実際には、
・理由の中心を書けていない
・具体例に字数を使いすぎている
・抽象的な根拠を押さえられていない
・理由ではなく場面説明を書いている
ということがあります。
ここを見ないまま、
・問題数を増やす
・書き直しを繰り返す
・模範解答を読ませる
だけで進めても、同じ失点を繰り返しやすいです。
理由問題で止まっている子は、語句が分からないのではなく、理由として残す情報の選び方で止まっていることが多いです。だから、ただ丁寧に読ませるだけでは直りにくいことが少なくありません。
同じ理由問題の失点でも止まっている場所は違う
理由問題が苦手に見える子でも、原因は一つではありません。
たとえば、
・具体例を削れない子
・理由の中心を見つけられない子
・説明を広く取りすぎる子
・理由の一文をうまく言い換えられない子
・結論より材料を重く見てしまう子
では、直すべき場所が違います。
見た目ではどの子も「理由問題が苦手」に見えるかもしれません。しかし実際には、どこで理由を外しているかはかなり違います。
ここを分けずに、
・もっと短く書こう
・理由を書こう
・本文の言葉を使おう
とだけ伝えても、改善は弱いです。
理由問題を安定させるには、どの情報を理由として残しているのかまで確認することが大切です。
個別指導で見ているポイント
個別指導では、正解かどうかだけでなく、どこを理由だと考えて答案を書いたのかを確認しています。
特に見るのは、
・理由の核となる一文を押さえているか
・具体例を書きすぎていないか
・理由の範囲が広くなりすぎていないか
・筆者のまとめ部分を落としていないか
・なぜその部分を答えに使ったのか説明できるか
といった点です。
ここを見ていくと、同じように理由問題で失点している子でも、
・内容理解はあるが焦点が弱い子
・印象で答案を書いてしまう子
・論理のつながりを十分に追えていない子
・理由の中心より材料を重く見ている子
など、課題はかなり違います。
理由問題は、本文理解の問題というより、理由として残すべき部分を見極める力が問われています。だからこそ、どこを理由だと考えているのかまで見ていくことが大切です。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり中学受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
・国語だけ成績が安定しない
・どこで失点しているのか分からない
・理由問題の記述を強化したい
・国語を得意科目として伸ばしたい
このような方はご相談ください。
まとめ
中学受験国語の理由問題で外してしまう子は、本文が読めていないというより、理由と具体例の違いを捉え切れずに失点していることが多いです。
特に多いのは、
・具体的な場面を書いてしまう
・理由の中心となる一文を落とす
・説明を広く取りすぎて答案がぼやける
・材料に字数を使って理由を書けていない
といった状態です。
この状態は、問題数を増やすだけでは直りにくいです。一見すると本文に沿っているように見えるため、原因を見誤りやすいからです。
理由問題で点を安定させるには、
・なぜそうなるのかという中心の根拠
・筆者がまとめている一文
・具体例ではなく理由として残すべき部分
を押さえながら読むことが大切です。
理由問題で失点する子は、語句や内容が分からないのではなく、理由として残す情報の選び方で止まっているのかもしれません。だからこそ、どこを理由だと考えているのかまで見て直していくことが重要です。
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