中学受験では、算数や理科は勉強の成果が比較的見えやすい一方で、国語は勉強しているのに思うように結果が出ないと感じるご家庭が多い科目です。
実際に、保護者の方からは
・塾には通っているのに国語だけ偏差値が上がらない
・テストごとの点数の波が大き
・解説を聞くと分かったように見えるのに、次のテストではまた同じように外す
・記述問題で何を書けばよいのか分からない
・家庭でどのように復習させればよいのか迷っている
・今も極端に悪いわけではないが、もっと安定して点を取れるようにしたい
といった悩みをよく聞きます。
国語は、単に勉強量が足りないから伸びないとは限りません。むしろ多いのは、何が原因で点が取れないのかが見えにくいまま勉強を続けているケースです。
この記事では、中学受験の国語が伸びない主な原因と、成績が上がりにくい子に共通する特徴を解説します。あわせて、国語の成績を上げるために大切な考え方もお伝えします。
中学受験の国語が伸びないのは努力不足とは限らない
国語が伸びないと、
・読書量が足りないのではないか
・もっと問題数をこなすべきではないか
・センスの問題ではないか
と考えられがちです。
もちろん学習量が足りていないケースもありますが、それだけで説明できないことも多いです。
実際には、
・本文は最後まで読んでいる
・宿題も一応やってい
・解説も聞いている
・解き直しもしている
それでも成績が安定しない子は少なくありません。
この場合は、努力が足りないというよりも、
・どこで失点しているのか
・なぜその失点が起きているのか
・何を優先して直すべきか
が見えていないことが問題になっている可能性があります。
特に国語は、頑張っているのに伸びない子ほど「何が悪いのか」がぼやけやすい科目です。算数のように単元で見えやすい苦手とは違い、本文理解、設問処理、選択肢の比較、記述のまとめ方など、複数の要素が重なって失点していることが多いからです。
中学受験の国語が伸びない主な原因
国語の成績が上がらない理由は一つではありません。実際には、いくつかの原因が重なっていることが多いです。
本文を正確に読めていない
国語が伸び悩む子の中には、文章を最後まで読んでいるものの、内容を正確につかめていないケースがあります。
たとえば、
・登場人物の気持ちの変化を追えていない
・説明文の要点をつかめていない
・接続語や指示語を意識して読めていない
・大事な部分とそうでない部分の差が分かっていない
といった状態です。
本人としては読んだつもりでも、文章の中で重要なポイントを押さえられていないと、設問に答える段階で苦しくなります。特に国語は、読めていないことが本人にも見えにくいため、この原因に気づくのが遅れやすいです。
また、本文理解が弱い子にも違いがあります。
・説明文で結論より具体例の方が印象に残ってしまう子
・物語文で気持ちは何となく追えるが、その変化の理由を本文から拾えない子
・文章は読んでいるのに、設問で必要な部分だけを取り出せない子
同じ「本文が読めていない」でも、中身はかなり違います。ここを分けずに対策すると、勉強しているのに改善が見えにくくなります。
設問の聞かれ方を正しく理解できていない
本文がある程度読めていても、設問文の条件を正しく取れていないと失点につながります。
よくあるのは、
・理由を聞かれているのに内容説明を書いてしまう
・本文中から答える問題で自分の考えを書いてしまう
・抜き出し問題なのに条件を見落としている
・何字以内、何字以上などの条件を軽く見てしまう
といったパターンです。
国語が伸びない子は、本文理解だけでなく、設問の処理の仕方にも課題を抱えていることがあります。ここが弱いと、文章をある程度読めていても点数が安定しません。
実際には、本文内容はそれなりにつかめているのに、設問で何を聞かれているかを外して点を落としている子も少なくありません。このタイプは「読解力不足」と一括りにされやすいのですが、本当に直すべきなのは設問への向き合い方です。
選択肢問題を感覚で解いている
中学受験の国語では、選択肢問題の配点が大きい学校も多くあります。ここで安定して得点できるかどうかは非常に重要です。
ただ、成績が上がりにくい子は、
・何となく正しそうなものを選んでいる
・2択までは行くが最後で外す
・本文に戻って確認する習慣が弱い
・誤っている選択肢のどこが違うのかを見ていない
という状態になっていることがあります。
特に「2択までは行くのに最後で外す」子は、惜しいように見えて、実際には中身が分かれます。
・本文理解が浅く、どちらも正しそうに見えてしまう子
・本文理解はある程度できているが、最後の比較で主語や条件の違いを見落とす子
・本文には戻っているが、どこを根拠に比べるべきかが分かっていない子
見た目は同じ2択ミスでも、原因は同じではありません。ここを分けて見ないまま「選択肢に弱い」で済ませると、対策がぼやけやすいです。
記述問題で必要なことを書けていない
記述問題で点が取れないことも、国語が伸びない大きな原因の一つです。
記述が苦手な子には、いくつかのタイプがあります。
・何を書けばよいのか分からず手が止まる子
・書いてはいるが、聞かれていることに答えられていない子
・必要な要素が足りない子
・余計なことまで書いてしまい、答案がぼやける子
このように、同じ記述が苦手でも中身はかなり違います。
特に厄介なのは、白紙ではないから一見すると書けているように見えるのに、点にならないケースです。このタイプは、書く量ではなく、何を書くべきで何は不要なのかが分かっていないことがあります。
さらに言えば、記述が苦手な子も
・何も書けずに止まる子
・方向性はあるが要素不足で点にならない子
・書いているのに設問からずれてしまう子
で、直す順番が変わります。ここを分けて見ないと、「記述対策をしているのに伸びない」状態になりやすいです。
復習方法が合っていない
国語は、復習のやり方が曖昧になりやすい科目です。算数であれば、間違えた問題を解き直す、類題を解くといった方針が比較的立てやすいですが、国語はそう単純ではありません。
よくあるのは、
・解説を読んで終わる
・正解を書き写して終わる
・もう一度解くだけで終わる
・なぜ間違えたのかを考えないまま次へ進む
という復習です。
これでは、その場では納得したつもりになっても、次のテストで同じようなミスをくり返しやすくなります。ここで大事なのは、復習不足ではなく、復習の見方がずれている子がいるということです。
・解説は読んでいる
・解き直しもしている
・宿題もやっている
それでも伸びない場合は、「何を確認するか」がずれたまま反復していることがあります。国語ではこのズレがそのまま停滞につながりやすいです。
成績が上がりにくい子に共通する特徴
国語が伸び悩む子には、いくつか共通する特徴があります。
分かったつもりで終わってしまう
国語は、解説を聞くと納得しやすい科目です。
そのため、
・授業中は理解したように見える
・解説を聞くと「なるほど」と思う
・その場ではできそうに感じる
でも、次に同じような問題を解くとまた外す、ということが起こりやすいです。これは、理解したことを自分の力で再現できる段階まで落とし込めていないからです。国語は「分かった」と「できる」の差が出やすい科目です。
特に集団塾では、解説を聞いたその場ではついていけているように見えやすいため、見落とされやすい部分でもあります。
点数だけを見て答案の中身を見ていない
国語では、テストの点数だけで一喜一憂しやすいですが、本当に大事なのは答案の中身です。
同じ60点でも、
・本文理解で苦しいのか
・設問の条件で失点しているのか
・選択肢比較が甘いのか
・記述だけで落としているのか
で、取るべき対策はまったく違います。点数だけを見て「国語が苦手」とまとめてしまうと、必要な対策が見えにくくなります。
また、見た目には同じ点数でも、
・本文理解はある程度できているのに答える段階で落としている子
・読む段階からずれていて全体に影響している子
では、学習の優先順位も変わります。答案の中身を見ないままでは、この差が見えません。
家庭学習が問題演習だけになっている
国語の家庭学習では、問題を解くこと自体が目的になってしまうことがあります。
・とにかく問題数をこなす
・毎回新しい文章を解く
・丸付けして終わる
この形では、どこが良くなっていて、どこがまだ弱いのかが見えにくくなります。
国語は問題演習が不要なのではなく、演習のあとに何を見るかが大切です。ここが曖昧だと、時間をかけているのに伸びにくい状態になりやすいです。
原因を一つに決めつけてしまう
国語が伸びない原因は一つではないことが多いです。
たとえば、
・本文理解はそこまで悪くないが、設問処理で落としている
・選択肢は比較的できるが、記述で点を失っている
・語彙力よりも、答え方の精度に課題がある
といったケースはよくあります。
それなのに、
・読書を増やせばいい
・問題数を増やせばいい
・語彙を増やせばいい
と一つの方法だけで対応しようとすると、なかなか改善しません。
国語は「何が弱いか」を細かく見ないと、努力の方向がずれやすい科目です。
国語は原因を分けて考えることが重要
国語の成績を上げるためには、「国語が苦手」と一括りにせず、原因を分けて考えることが大切です。
たとえば見るべきポイントは、
・本文を正確に読めているか
・設問の聞かれ方を取れているか
・選択肢を本文根拠で比べられているか
・記述で必要な要素を書けているか
・復習方法が適切か
といった点です。
さらに大事なのは、読む段階の課題なのか、答える段階の課題なのかを分けて見ることです。
・本文の要点は言えているのに選択肢を外す子
・内容理解はできているのに記述になると点が取れない子
・説明文の流れは追えているのに設問条件で落とす子
こうした子をすべて「読解力不足」でまとめてしまうと、対策がずれてしまいます。
国語は、見方が粗いと原因を取り違えやすい科目です。逆に、どこに課題があるのかがはっきりすると、対策の方向も決めやすくなります。
また、国語は苦手克服だけの科目ではありません。平均点前後から安定科目にしたい子や、得意科目としてさらに伸ばしたい子でも、原因を細かく見ながら学習を進めることで変化が出ることがあります。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
・国語だけ成績が安定しない
・どこで失点しているのか分からない
・記述や選択肢問題を強化したい
・国語を得意科目として伸ばしたい
このような方はご相談ください。
まとめ
中学受験の国語が伸びない原因は一つではありません。
・本文理解
・設問処理
・選択肢の比較
・記述問題の答え方
・復習方法
こうした複数の要素が関係していることが多いです。勉強しているのに国語の成績が安定しない場合は、努力不足ではなく、原因の見方が合っていない可能性もあります。
国語の成績を伸ばすためには、何となく苦手と考えるのではなく、どこに課題があるのかを具体的に確認し、適切な対策につなげることが大切です。
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