中学受験国語で意外に多いのが、「本文の内容は分かっているように見えるのに、要約になると急に点が取れなくなる子」です。選択肢問題ではある程度取れている。理由問題でも大外しはしない。本文について聞かれれば、それなりに説明もできる。それなのに、まとめ問題だけ急に崩れることがあります。
このタイプは、周りから見るとかなり見抜きにくいです。読めていないようには見えませんし、答案も空白だらけではありません。むしろ、それなりに書けているように見えます。
しかし実際には、何を残して何を削るかの判断で止まっていることが多いです。
その結果、
・長く書いたのに点が入らない
・本文の内容をなぞっただけの答案になる
・具体例ばかり書いて肝心の結論が抜ける
・まとまっているように見えて要点になっていない
といった失点が起きやすくなります。
要約で失点する子は、本文が読めていない子とは限りません。むしろ、読めているのにまとめ方の判断で止まっている子がかなりいます。
この記事では、中学受験国語でまとめ問題が苦手な子に見られる特徴と原因、そして要約で点を取るために必要な考え方を解説します。
本文は分かるのに要約になると崩れる子の状態
要約が苦手な子は、文章の内容が全く分かっていないわけではありません。
たとえば説明文なら、
・何について書かれている文章かは言える
・段落ごとの内容も大まかには追える
・具体例の話もある程度説明できる
このくらいはできていることが多いです。
ところが、「この文章をまとめなさい」と言われると急に不安定になります。
よくあるのは、
・第1段落から順番に内容を並べただけになる
・筆者の主張より具体例の説明を長く書いてしまう
・段落ごとの話を少しずつ入れて、結局何が中心か分からなくなる
・制限字数を埋めることが目的になり、不要な内容まで入れる
という形です。
つまり問題は、理解していないことではありません。理解した内容の中で、どれを残すべきかが分かっていないことにあります。
要約ができない子は何を残すべきか判断できていない
要約ができない子に多いのは、文章の中の情報を同じ重さで見てしまうことです。
本来、説明文には
・筆者が一番言いたいこと
・その理由
・具体例
・補足説明
・言い換え
など、役割の違う情報が入っています。
しかしこの区別が弱い子は、どれも同じくらい大事に見えてしまいます。
そのため、
・主張と具体例を同じように書く
・補足説明まで落とさず入れる
・逆に一番大事な結論を短く済ませてしまう
といった答案になりやすいです。
要約では、本文をたくさん書けることよりも、中心を残せることの方が大事です。ここが分かっていないと、本文を理解していても点につながりません。
段落を順番に並べただけの要約は点になりにくい
まとめ問題でよくある失点が、段落ごとの内容を順番に並べただけの答案です。
本人は本文に沿って書いているつもりですし、実際、大きく外れてはいません。
しかし、
・第1段落の話
・第2段落の話
・第3段落の話
を順に書いただけでは、「この文章が結局何を言いたいのか」が見えにくくなります。
要約で求められているのは、本文の経過を全部なぞることではありません。文章全体の中心をつかみ、それが伝わる形でまとめることです。
段落を順番に書くだけの子は、本文の流れは追えていても、その流れの中でどこが核なのかをつかみ切れていません。このタイプは、書いている量のわりに中身が薄くなりやすく、「書いてあるけれど点にならない」答案になりやすいです。
具体例ばかり書く子は筆者の主張を落としやすい
説明文の要約で特に多いのが、具体例ばかり残してしまうパターンです。
たとえば本文の流れが、
・最初に筆者の主張
・次に理由の説明
・そのあと具体例
・最後に結論
となっているのに、答案では具体例の部分がいちばん長くなる子がいます。
これは、具体例の方が分かりやすく、書きやすいからです。逆に、抽象的な主張や結論は短く難しく感じるため、落としやすくなります。
その結果、
・何について述べた文章かは何となく分かる
・でも筆者が一番言いたいことは入っていない
・説明はあるが要約としては弱い
という答案になります。
要約は、分かりやすい部分を多く書くことではありません。文章の中心を残すことです。ここを取り違えると、読めている子でもまとめ問題で失点しやすくなります。
長く書くのに点が入らない子は字数の使い方がずれている
要約が苦手な子ほど、「たくさん書けば点が入る」と考えやすいです。
そのため、
・本文の内容をできるだけ多く入れようとする
・削るのが不安で関係ある話を全部書こうとする
・字数を余らせないことを優先する
という書き方になりやすいです。
しかし、要約問題で見られているのは量ではありません。必要な内容を絞れているかです。
たとえば、
・主張を書かずに具体例だけ長く書いている
・結論に至る理由が抜けている
・同じ内容を言い換えて字数を使っている
・大事な文より分かりやすい文に字数を使っている
こうした答案は、長くても点数が伸びません。
本人からすると「こんなに書いたのに」となりますが、実際には字数の使い方そのものがずれています。
家庭で見ると書けているように見えてしまう理由
要約問題がやっかいなのは、家庭で見ると一見書けているように見えやすいことです。
実際、
・空欄がしっかり埋まっている
・本文に沿った言葉も使っている
・内容も全然的外れではない
という答案は多いです。
そのため、「惜しい」「もう少し練習すればいけそう」と見えやすくなります。
しかし実際には、
・何を中心にまとめるべきか分かっていない
・主張と具体例の重さの差が見えていない
・字数を使うことが優先になっている
という根本の問題が残っていることがあります。
ここを見ないまま、
・とりあえず書き直させる
・問題数を増やす
・模範解答を読ませる
だけで進めても、同じ失点を繰り返しやすいです。
要約は、書けているように見える答案ほど中身をよく見ないと原因を外しやすいです。ここが、家庭で直しにくい大きな理由です。
同じように要約が苦手でも原因は子どもによって違う
要約が苦手に見える子でも、中で起きていることは同じではありません。
たとえば、
・具体例を削れない子
・主張の一文を見つけられない子
・段落の役割が見えていない子
・字数配分で崩れる子
・まとめる時に自分の言葉を足しすぎる子
では、直すべき場所が違います。
見た目だけなら、どの子も「要約が苦手」に見えるかもしれません。しかし実際には、つまずいている箇所がかなり違います。
ここを分けて見ないまま一律に
・もっと短くしよう
・もっと大事なことを書こう
・要点を書こう
と伝えても、改善しにくいです。
だから要約は、模範解答と見比べるだけでは伸びにくいです。どこで判断を間違えたのかまで見ないと、点数が安定しません。
個別指導で見ているポイント
個別指導では、出来上がった答案だけでなく、どういう考え方でその要約を書いたのかを見ています。
特に確認するのは、
・どの部分を中心だと思ったのか
・なぜその具体例を入れたのか
・逆に何を削ったのか
・字数をどこに使ったのか
・筆者の主張をどこに置いたのか
といった点です。
ここを見ていくと、同じように要約で失点している子でも、
・本文理解はあるが削れない子
・主張は見つかるがつなげられない子
・字数配分で崩れる子
・具体例と要点の区別が弱い子
など、課題はかなり違うことが分かります。
要約問題は、「読めていないから書けない」だけではありません。むしろ読めているのに、残すものと削るものを選べずに失点している子が多いです。だからこそ、答案の表面だけでなく、まとめ方の考え方そのものを見る必要があります。
中学受験国語でお悩みの方へ
私は、10年以上にわたり中学受験国語を指導してきました。以前は大手学習塾で国語専門講師として1000人以上の生徒を見てきました。そこで正しい教え方を徹底的に学び、指導の土台を作ってきました。
その中で強く感じてきたのは、国語は同じ点数帯でも、子どもによってつまずいている場所が大きく違うということです。現在はオンライン個別指導・家庭教師として、答案を見ながら課題を確認し、集団塾との併用を前提に指導しています。
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まとめ
中学受験国語で要約問題が苦手な子は、本文が分かっていない子というより、何を残して何を削るかの判断で止まっている子であることが多いです。
特に多いのは、
・段落の内容を順番に並べただけになる
・具体例ばかり長く書いてしまう
・筆者の主張や結論が抜ける
・字数を埋めることが目的になってしまう
という失点です。
この状態は、問題数を増やすだけでは直りにくいです。一見書けているように見えるため、原因を見誤りやすいからです。
大切なのは、
・文章の中心はどこか
・どこが主張でどこが具体例か
・何を残して何を削るべきか
を見分けながらまとめることです。
要約で失点する子は、読めていない子ではなく、まとめ方の判断で止まっている子かもしれません。だからこそ、答案の長さや見た目ではなく、何を残し何を落としたのかまで見て直していくことが重要です。
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